2016.5.6
By さわらびY(ゆみ)
82 地域と共に 2016遺跡クリーンアップ&青空考古学教室を開催
T 雨あがり、快晴の埼玉県史跡・馬場小室山遺跡に集う
2016年5月4日(みどりの日)はGW恒例の馬場小室山遺跡のクリーンアップ&青空考古学教室が開催され、「さいたま朝日」4月号に掲載された記事をご覧になった地域の親子連れなど約40人が集まりました。
数日前からの4日の天気予報は、午前中いっぱい強風大雨とのこと。
早朝は武蔵野線も遅れるほどの悪天候でしたが、8時半ごろには、雨も上がって快晴の天候に恵まれました。
午前10時に三室中学校前バス停前に集合。
馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラムの飯塚事務局長から集まった皆さんへ挨拶と概要説明があった後、鈴木正博さんを先頭に中学校低地(縄文期の入江)と小室山の地形などの概要説明をしながら、遺跡入口まで歩きました。
青空の広がった10時、三室中学入口に多くの方が集まり、飯塚事務局長が挨拶されました。
遺跡の周りの高低差を歩いて実感します。
遺跡から眼下に見える三室中学キャンパスの低地は、縄文時代は奥まった入江でした。許可を得て埼玉県史跡・馬場小室山遺跡に入り、遺跡の清掃しながら、地形や「縄文マウンドむら」の遺構を、「足」で感じてもらいました。
いざ「縄文スリバチ広場」(中央窪地)へ。 遺跡内のゴミは少なくなっていましたが、足元には折れた樹木の枝が多数あり、じゃまな枝を片付けました。
遺跡の北側に遺された「縄文マウンド」(縄文塚)に登り、その高さをを実感 更に北側斜面のゴミも拾いました。遺跡の一角で、恒例の「青空考古学教室」を開きました。
「縄文時代とは?」、「どうしてそうわかるの?」遺跡の不思議にせまる種明かし。
「県史跡」に隣接したI社の造成地から「調査終了」後にレスキューした縄文土器を見て触ってもらいましたが、子供も大人も興味津々、目を輝かせていました。。
縄文時代とはどういう時代か、当時のむらの様子や生活について、井山さんがわかりやすく説明しました。
この遺跡がどうして縄文時代とわかるのか、齊藤さんが語る採集した土器からのメッセージに耳を傾けました。
私達が2004年「調査終了」後の10月23日に遺跡内で拾い集めた縄文土器片
その後、洗浄と注記をして、拓本を取り、分類して、フォーラムで展示し、冊子に発表しました。
この土器の分類など詳しい内容は、第8回ワークショップの報告をご覧ください。
U 第73回ワークショップで貴重な情報交換
午前中、馬場小室山遺跡の清掃と青空考古学教室を行ったあと、午後からは、三室公民館で馬場小室山遺跡研究会のワークショップが開かれました。
鴨志田さんから、見沼区小深作遺跡の現状について報告があり、表採された土器片や石器を見せていただきました。
宅間さんから弥生の再葬墓飯塚南遺跡から出土した勾玉をめぐる報告や、鈴木さんから人面付き土器の集成とその分析についてレクチャーがありました。
また、「山田湾まるごとスクール」について、これまでのまとめと今後の展開が話し合われ、今年度の山田湾まるごとスクールは、2016年9月3〜5日に行われることが決定しました。
ワークショップが終わって、いつもの居酒屋での懇親会。充実した一日でした。
鴨志田さんによる小深作遺跡の指定区域外パトロールによる遺物の紹介と参加者による分類等が行われました。
小深作遺跡の遺物です。縄文土器・石器のほか、近世の焙烙片などもありました。
宅間さんから、弥生中期の再葬墓(飯塚南遺跡)に伴うヒスイ勾玉に関連して、その流通経路などの考察が報告されました。ワークショップの資料 レジュメ⇒2016.5.4第73回
「さいたま朝日」4月号(20165.4.27発行)