2015.11.26
By さわらびY(ゆみ

78  秩父で石器を学ぶ第70回ワークショップを開催

T 先史の秩父スタディ−ズ-横瀬町歴史民俗資料館で縄文石器を学ぶ

 2015年11月3日(火・祝)は、「馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラム」の第70回ワークショップ。
 はるばる秩父まで行き、横瀬町歴史民俗資料館で、縄文石器について学びました。

 講師は同館の深田芳行さん、休館日にもかかわらず、たくさんの石器資料を準備くださって、丁寧にご説明いただきました。

 特に、荒川流域から遠方まで流通した磨製石斧などの製作原産地としての遺跡とその遺物に注目し、その原石の緑色岩の特性など、現物を手に持ってみて、とても勉強になりました。

⇒ワークショップレジュメ



 横瀬駅から国道299号線へ、秋晴れに武甲山が迫ってきます。

川を渡ると、横瀬町役場の左奥に、横瀬町歴史民俗資料館が、
右後ろには二子山のかわいらしい山並みがみえます。

 
 たくさんの石器資料にまず目が奪われました。                                         右が、講師の深田芳行先生
 
磨製石斧の製作過程を如実に示す縄文中期(加曽利ET)の寺坂遺跡の石器資料

荒割りは、こうかな?

砂岩の礫で成形するとしたら?

長大な磨製石斧、とにかく重いです! 百年前?から小学校に教材として保存されていたそうです。中央に柄を装着した跡が残っていました。


U 寺坂棚田と横瀬川の河原を歩く

 お昼は、寺坂棚田の景観を楽しみながら、昼食。
 ここから寺坂遺跡や根小屋城遺跡も見えました。
 さらに、横瀬川の河原に下りて、石器になりそうな礫がたくさんあることも、確認できました。

寺坂棚田から見る武甲山
寺坂棚田にて
 
      


  
横瀬川の河原にて。                        磨製石斧にできそうな緑色岩の礫もありました。


V 横瀬町歴史民俗資料館での勉強のつづき 

午後も、横瀬町歴史民俗資料館で、石器の勉強の続きです。
                  

上の原遺跡で縄文早前期の石器の特徴を学びました。                  
  
根小屋城跡の資料(縄文前期) 
ホルンフェルスは横瀬川ではなく荒川で拾えるそうです

上の原遺跡のあまりにも小さすぎて実用とは思えない矢じり
土坑から出土することが多く、祭祀用のミニチュアという意見も出ました。

常設展示室で、緑泥片岩の資料を見ました。
おなじみの中世板碑のほか、縄文の石皿が緑泥片岩とのこと。
緑色岩と緑泥片岩の石質と製品の違いがわかりました。

花井遺跡出土の五貫森式土器
条痕文が施文された大型の土器で、口縁部が欠けていますが、
底には栃の葉の圧痕があり、一部を打ち欠いています。
縄文晩期の土器棺(再葬墓)の土器だそうです。

W 帰り道は羊山公園を通って 

横瀬町歴史民俗資料館から、西武秩父駅前の居酒屋まで羊山公園を通って歩きました。
羊山公園からは秩父の町と北西の山々が一望できました。
   
人柱伝説の「姿の池」              振り返ると武甲山が・・

羊山公園からの秩父の町の展望


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