2015.12.4
By さわらびY(ゆみ)
79 番外編 黒浜貝塚発掘調査の見学 & 追補 桜エコ・フェスタ参加
T 蓮田市黒浜貝塚の発掘調査現場を見学
2015年11月17日(火)、馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラムの番外ワークショップとして、学術調査として蓮田市が発掘中の「国史跡・黒浜貝塚」の現地見学会が企画されました。
17日当日は、9名の参加があったそうですが、私はこの日は参加できず、11月19日に2名で現地見学させていただきました。
2015年11月17日 馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラムのメンバーの見学風景 鈴木正博氏撮影
以下は、私が11月19日(木)に見学した黒浜貝塚調査現場の写真とルポです。
2015.11.19 現在、住居内の貝層の取り上げ作業が始まっていました。11月19日は午後から、蓮田市の黒浜貝塚の学術調査の発掘現場を、蓮田市教育委員会の小宮雪晴氏のご案内で見学させていただきました。
蓮田市文化財展示館で完形の黒浜式と関山式の土器などを見てから、史跡整備中の椿山遺跡を通って黒浜貝塚の凹地遺構と集落跡へ。
一番標高が高いところ(16m)で、発掘中の、貝塚を伴う住居跡がその全貌を現したところを見ることができました。
方形(台形?)の住居跡はハイガイが山のようにいっぱいで、その中にカキの貝殻も多数みられました。
また貝塚を伴わない住居跡も1軒調査されていました。
さらに硬砂層が検出されたトレンチなども見せていただきました。
右:天神前遺跡55号土坑から出土した黒浜式土器
右手前は関山式土器
蓮田市文化財展示館にて
多量の貝層を伴う住居跡
貝層を伴わない住居跡は、ブルーシートの下
多量のハイガイに混じって、カキの貝殻が目立ちました。貝はすべて取り上げ、ふるいにかけられるそうです。
なお後日、この貝層の下から獣骨も検出されたそうです。
着生したときの葦痕のあるカキ
斜面の硬砂(かたすな)層検出のトレンチ 硬砂は古代から石材代わりに用いられたほか、縄文時代にはカキの着生材にも使われました。
黒浜貝塚から、湧水のある水辺越しに、対岸の椿山遺跡を望む
椿山遺跡は縄文前期から古代の集落跡で、現在その一角に蓮田市役所が建っています。
私が普段見ている北総台地の、馬の背を貫く古街道沿いの縄文遺跡は、だいたい黒浜式か関山式の土器を共伴する遺跡でしたので、こんな尾根筋まで縄文海進があったことに驚くと同時に、几帳面で丁寧な施文の黒浜式土器に感心し、黒浜貝塚はあこがれの標識遺跡でした。
今回、その貝塚の発掘現場を見ることができて、感慨深い思い出になりました
調査でお忙しい中、ご案内くださった小宮さんにお礼申し上げます。ありがとうございました。
U 補遺:11月29日「桜エコ・フェスタ2015」に馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラムが参加しました
2015年11月29日のこのイベントも私は参加できませんでしたが、馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラムが、さいたま市桜区桜環境センターで行われた「桜エコ・フェスタ2015」に参加し、子供と家族連れ対象に、ジオラマでの馬場小室山遺跡の説明と、プラスチック板でのキーホルダー制作を通して、 「埼玉県史跡・ 馬場小室山遺跡」をさいたま市民にPR し、 市民団体との交流 も図りました。
写真は鈴木正博氏提供