2017.5.6
By さわらびY(ゆみ


80 2017.5.4 今年も花と新緑の馬場小室山遺跡に集まって

 2017年5月4日(みどりの日)毎年恒例の「馬場小室山遺跡のクリーンアップ大作戦と青空考古学教室」を開催、新緑の遺跡を舞台に、近隣の子供たちや市民の皆さんと一緒に、楽しい時間を持ちました。

 まずは10時に三室中学校前に集合、飯塚事務局長のあいさつの後、馬場小室山遺跡に学ぶ市民フォーラムを代表して五十嵐さんが海辺の入江だった三室中学校構内の低地と遺跡のある台地の地形の説明をし、続いて、地形を観察しながら、馬場小室山遺跡へ。
 途中、人面付土器を含む縄文晩期の多数の完形土器が埋まっていた51号土坑が見つかったお家のある住宅街にも寄り道しました。

  
        10:00 三室中学校前に皆さん集まってきました。         五十嵐さんの遺跡の位置や地形の説明を熱心に聴いています。
  
チェリーセージが咲く道、左手のフェンスの下は中学校のある低地。              人面付土器の出土した51号土坑はこの左手の家の奥。 
 
馬場小室山遺跡に到着。左手は中学校の低地、右は遺跡。 遺跡右側の住宅街は、11年前の第32次調査でに多量の土器などが出土した盛土遺構の一部。

 「馬場小室山遺跡のクリーンアップ大作戦」を開始! 

 広い遺跡内をくまなくゴミを拾いながら歩き、起伏のある環状盛土遺構を足で体験しました。
 10年前に比べてゴミの量は格段に少なくなっていますが、道路沿いに投げ込まれた空き缶や風で飛んできたポリ袋などを回収し、分別しました。
  

  

 環状盛土遺構の起伏を全員で表現する

 ゴミを拾いながら遺跡を歩くクリーンアップ大作戦の後、参加者全員で体感しながら遺跡の特徴を表現するインスタレーションを試みました。

 最初は、今回から遺跡の一部に組み入れられた南側の4号土塚(盛土遺構)の起伏をマウンドの上から一列に並んで、その高低差を表現してみました。(土塚立木があって、写真ではうまく写せませんでした)

 次に北側の1号土塚に挑戦。(斜面がくっきり表現できたかな?)
 最後に縄文スリバチ広場(中央窪地)を丸く囲んでみました。(環状盛土遺構の特徴はやはりこれでしょう)...
 子どたちもみんな一緒に楽しく、遺構の特徴を実感できました。
  
最近、県指定の遺跡の範囲に組み込まれ、今回立ち入りができた4号土塚のマウンドの上から、下へ一列に手をつないでいきます
4号土塚の裾の方は子供たちが手をつないでがんばりました。



4号土塚の起伏を表現。右の木立の奥が4号のマウンドで、左手へと緩やかに下っていきます。

  
北側の1号土塚。大きな高低差が一目瞭然に表現できました。                          1号土塚の斜面、右手が中央窪地



最後に、縄文スリバチ広場(環状盛土遺構の中央窪地)を取り囲んで表現しました。

 馬場小室山遺跡を彩る花々です

ギンラン(ラン科キンラン属)


オオアラセイトウ(ショカツサイ アブラナ科オオアラセイトウ属)と
ヤハズエンドウ(マメ科ソラマメ属)

      
タムラソウ(キク科タムラソウ属)        ジュウニヒトエ(シソ科キランソウ属)        ハルジオン(キク科ムカシヨモギ属)

 恒例の「青空考古学教室」にみな夢中!

 皆で馬場小室山遺跡の環状盛土の起伏を表現するインスタレーションを試した後、いよいよ恒例の「青空考古学教室」の始まり始まり!
 今回は、昨年のこのイベントの際に参加された方から寄贈された多数の土器片で、かつて馬場小室山遺跡から拾ったものとのことです。
 斉藤弘道先生が、この遺跡がどの時代のものかがどうしてわかるのか、これらの土器はどのように作られ使われたのか、質問に答えながら、わかりやすく解説してくださり、子供もご近所の方も、また考古学好きの大人も夢中になったひとときでした。
  

  
今回の教材は、昨年の青空考古学教室の際に寄贈された土器片で、かつて馬場小室山遺跡で採されたとのこと。
(縄文中期の阿玉台式・加曽利E式、後期の称名寺式・堀ノ内式が多い)


 午後からは公民館で第80回ワークショップ

 午前中の遺跡での一般向けのイベントを終わって、三室公民館へ移動し、午後からは第80回ワークショップ。
 馬場小室山遺跡を紹介した埼玉大学有機農業研究会が作成の『見沼たんぼ見どころガイド2017』の配布、県史跡となった馬場小室山遺跡の活用と、今年9月1〜3日の「山田湾まるごとスクール」の計画について意見を出しあいました。

 最後に鈴木正博さんから『アルカ通信』に連載された考古学黎明期のモースと坪井正五郎の加曽利B式土器の研究史を巡って充実した講義があり、夜は東浦和駅のいつもの居酒屋での「ワイン・ワーケオロジー」、おいしい酒肴と皆さんでのお話を楽しみました。
  

ワークショップの資料 レジュメ2017.5.4 第80回ワークショップレジュメ

 

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